工賃コラム
工賃と障害年金、両方もらうと税金はどうなる?
「工賃と障害年金、両方もらっていると税金が心配…」という声をよく聞きます。結論から言うと、多くの方は心配しすぎなくて大丈夫なケースがほとんどです。順番に整理してみましょう。
まず大前提:障害年金は非課税
障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)は、法律上「非課税所得」と定められています。つまり、障害年金には所得税も住民税もかかりません。金額の多い少ないにかかわらず、確定申告の対象にもなりません。
工賃の扱いは、A型かB型かで異なる
A型で得る収入は、雇用契約に基づく「給与所得」です。通常は事業所側で源泉徴収・年末調整が行われるため、他に大きな副収入等がなければ、基本的にご自身で確定申告をする必要はありません。
B型で得る工賃は、雇用契約のない「雑所得」として扱われるのが一般的です。源泉徴収はされないため、本来は確定申告の対象になり得ますが、「家内労働者等の必要経費の特例」という制度により、工賃以外に大きな収入がなければ、一定額まで確定申告が不要になります。
この基準額は、これまで「103万円」とよく紹介されてきましたが、令和8年度税制改正により、令和8年(2026年)分・令和9年(2027年)分については、家内労働者等の必要経費の特例(69万円)と基礎控除の特例(所得655万円以下の場合、最大104万円)を合わせて、約173万円まで確定申告が不要となる見込みです(国の税制改正大綱に基づく内容のため、最終的な適用条件は国税庁の発表でご確認ください)。
いずれにしても、B型の全国平均工賃は月2万円台(年間30万円未満)であることが多いため、旧基準・新基準のどちらで見ても、この基準を超える方は多くありません。
障害者控除について
障害者手帳をお持ちの場合、確定申告や年末調整の際に「障害者控除」を適用できます。控除額は障害の程度によって異なります。工賃について確定申告が必要になった場合は、この控除もあわせて確認するとよいでしょう。
住民税非課税世帯・扶養への影響
障害年金は非課税所得のため、住民税非課税世帯の判定や、税務上の扶養に入れるかどうかの判定には基本的に含まれません。工賃収入がそれほど多くなければ、住民税非課税世帯としての扱い(福祉サービス利用料の軽減など)が継続されることが多いです。
一点だけ注意したいのが「社会保険の扶養」です。こちらは障害年金と工賃・給与を合算して判定されることが多く、年間の合計収入がおおむね180万円を超えると扶養から外れる可能性があります。高額の障害年金を受給している方は、念のため確認しておくと安心です。
迷ったときの相談先
- 確定申告の要否や具体的な計算:税務署、または障害福祉に詳しい税理士
- 障害年金や社会保険の扶養に関すること:年金事務所、年金相談センター
- 住民税・利用者負担に関すること:お住まいの市区町村の窓口
※本記事は一般的な考え方の紹介であり、個々の状況(他の収入の有無、扶養関係、地域による違い等)によって扱いが異なる場合があります。正確な判断は、税務署や専門家、年金事務所にご確認ください。